和歌山県の紀南地域では、梅雨明けを号令に夏の風物詩である「土用干し」といわれる天日干しが始まります。この時期になると、あたりが甘酸っぱい梅の香りに包まれます。
紀州の梅干しの原材料は、南高梅です。大粒で、果肉が厚くてキメが細かく、皮が薄くて柔らかいのが特徴で、梅干し用としても最高の品種です。和歌山県の南高梅の収穫量は全国の約6割を占めています。
梅干しは熱中症予防に良いといわれています。
熱中症の予防には、喉が渇いたと感じる前にこまめに水分摂取を行うことと、塩分の補給が重要です。
梅干しに含まれるミネラルやクエン酸で、汗とともに失われた塩分(ナトリウム)やカリウムを補給し、疲労回復に優れた効果を発揮するクエン酸を摂取できます。
また、梅干しと聞いただけで、唾液が分泌された経験をお持ちの方は多いと思います。梅の強い酸味が唾液を分泌させ食欲を増進してくれるのではないでしょうか。
猛暑の予報が続く中、梅干しを献立に取り入れて夏を乗り切りませんか。
和歌山県の南高梅の収穫は、青梅では、5月下旬から6月中旬にかけて始まりますが、梅干し用に使う梅は、樹上で完熟するのを待ちます。
6月下旬に、全体が黄色くなった完熟梅は、自然落下して樹の下に張られたネットで受け止められ、園地の傾斜を利用して1か所に集められ収穫しています。
農家は、この時期になると、毎日早朝から梅拾いにおわれます。収穫した梅は、その日のうちに塩漬けします。
和歌山県では、農家が、一次加工品の「白干し梅」まで加工しています。梅の重量の20%の粗塩で漬けると、2日~3日で梅酢が上がります。
さらに、20日~25日間漬け込んだ後、ザルに梅を取り出し、「土用干し」として晴天が続く日を選んで、日に一度程度裏返しながら3日~5日間を目安に天日干しします。
こうしてできたのが塩分20%の「白干し梅」と「梅酢」です。
「白干し梅」は、地元の加工業者に販売されて、減塩、調味、味付けされて、「調味梅干し」となります。
また、一部は、「昔ながらの梅干し」としてそのまま販売されています。
● ご自宅での減塩梅干しの作り方(塩抜きの方法)
0.1%程度の塩水につけて塩抜きします。白干し梅200gに対して塩水が1リットル位。お好みに応じて30分~数時間浸漬後に取り出し、ザルにあげて1時間位水切りします。
●簡単はちみつ梅干しの作り方
● 梅酢の利用法
しそ漬け梅、しめ鯖、ドレッシング、漬物、漬物、酢の物など様々な料理にお使いいただけます。
□ わかやま食の総合ポータルサイト「おいしく食べて和歌山モール」