今回は、夏に収穫される柑橘「バレンシアオレンジ」をご紹介します。
オレンジの産地で有名なスペインのバレンシア地方にあやかって名付けられたアメリカ原産のオレンジです。
バレンシアオレンジは、世界で最もよく知られたオレンジです。
市場で出回っているバレンシアオレンジは、アメリカ産やオーストラリア産の輸入果実が多く見受けられますが、希少価値の高い国産の樹上完熟バレンシアオレンジはいかがでしょうか。
日本にバレンシアオレンジがやってきたのは明治36年といわれていますが、日本の冬の寒さに対応できなくて、生育がわるく、果実の落下が多かったため、国内でも比較的温暖で霜の降りにくい地域で栽培しています。
花が咲いてから13ヶ月間以上、樹上で栽培するため、今年収穫する実と、来年収穫する実が一緒に見られる珍しい柑橘です。
5月中旬の気温が高くなってくる時期に、今年の収穫を間近に控えた果実が、橙色から再び青色になる「回青(かいせい)現象」を起こします。
回青現象は、果皮が日光に当たることで、"葉緑素(緑色の色素)"の合成が活発になるために起きる現象で、熟していないわけではありません。
アメリカ産などの輸入果実は、回青現象を防ぐために、早期収穫をおこなって輸送中に追熟させているようですが、和歌山産のバレンシアオレンジは、樹上で完熟するまで育成しています。回青現象を防ぐ方法としては、手間と労力のかかる袋掛けなどをしています。
樹上で完熟させた(木熟)バレンシアオレンジは、甘味が強く、酸味とのバランスも良く、芳醇な香りを楽しんでいただけます。
輸入果実とは一線を画した、収穫したての新鮮でみずみずしい和歌山産果実をご賞味ください。
【主要な産地】
国産バレンシアオレンジ収穫量は、和歌山県が1位で264トン、統計上の全国シェアは100.0%です。(令和元年 特産果樹生産出荷実績調査より)
和歌山県内の主要な産地:田辺市、湯浅町
【特徴】
芳醇な香りで、酸味が強く果汁が多いため、生食の他ジュースや加工品にも適しています。真夏の柑橘ですので冷蔵庫でよく冷やすと、いっそう美味しく召し上がれます。
皮に厚みがあり、砂糖漬けのオレンジピールとして食べることもできます。
果重:200~250g
収穫時期: 6月中旬から8月
【美味しいバレンシアオレンジを選ぶポイント】
表面の色艶がよいもの。
全体に色が鮮やかで、ツヤとハリがあるものがオススメです。
手に持ってみて、重みのあるものを選びましょう。
果皮がフカフカになった浮き皮になった状態のものは避けた方が無難です。
【保存方法】
風通しがよい冷暗所で保存します。
常温の場合は乾燥を防ぐため、1つずつ新聞紙で包んでおくとより長持ちします。
箱に入っている場合は、下のものは傷みやすいので、時々入れ替えたり、底にあるものから食べるようにします。箱の蓋は閉めずに、開けたままにしておくのがよいでしょう。
気温が高い場合は、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
【バレンシアオレンジの栄養】
ビタミンC、葉酸、カリウムなどが豊富に含まれており、貧血や高血圧の予防にも効果的です。
ビタミンCは、コラーゲン生成を助けて肌のハリツヤを維持したり、シミの原因となるメラニンの発生を抑えるなど美肌効果もあり、美容面での活躍が注目されています。また、ビタミンCには鉄の吸収を助けて免疫力を向上させ、ウイルスや菌に対する抵抗力を高めるなどの効果もあります。
葉酸には血をつくる作用があり、貧血の予防・改善に役立つほか、皮膚や粘膜の健康を維持します。
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